国内外の学校間交流の進展 (2)

フィールドワーク・研究発表のため理数科韓国へ

2014年09月01日更新

ニ フィールドワーク・研究発表のため理数科韓国へ

 ここでは平成24年度韓国フィールドワークに参加した生徒のレポートと「研究発表in韓国ソウル高校」の様子を紹介する。


韓国フィールドワークしおりの表紙

旅行先 韓国 旅行期間 平成24年10月22日(月)~平成24年10月25日 (木)
参加人数35+3名様 添乗員1名

2012FWレポート                

平成25年度3年H組 鵜木 沙也加

●はじめに

 昨年の夏、竹島問題がマスメディアで大きく取り上げられた。その影響で修学旅行に行く前はやや不安だったのだが、イメージとは裏腹に韓国の人は皆好意的で、彼らの文化も魅力的だった。そこで、一部ではあるが修学旅行での体験を紹介し、韓国の魅力を伝えたいと思う。

●1日目:Nソウルタワー

 タワーの高さは236mだが、243mの南山の上に位置するため海抜479mの展望台からソウルを一望できる。「N」はタワーの立つ「南山(Namsan)」と2005年からの改装工事を終えて新しいという意味の「new」からとったそうだ。様々な色でライトアップされたタワーはとても幻想的で、加えてタワーの展望台から見る夜景も非常にきれいだった。ソウルタワーに行くなら絶対に夜がおすすめ。お土産品も充実していた。

●2日目:ソウル高校→SAMSUNG電子広報館→韓国梨花(リか)女子大学 →NANTA

〈ソウル高校〉

 優秀な人材を数多く輩出している韓国屈指の男子高校。生真面目な人が多いだろうと身構えていたら、皆優しくユーモラスだった。歓迎会で披露してくれた伝統的な太鼓やバンドの演奏の完成度の高さに驚いたが、彼らの他にも何かしら一芸に秀でた生徒が多かった。例えば、あるクラスメイトを案内していた生徒はマジシャンさながらのトランプマジック名人で、私を案内してくれた生徒は秋田に何度も来たことがある日本通だった。彼は流暢な日本語で韓国と日本の違いをたくさん教えてくれたため、有意義な時間を過ごすことができた。彼との会話で印象に残ったことをいくつか紹介する。

韓国の高校と日本の高校の違い
  • 高校入試は運次第。中学校から推薦してもらい、あとは高校の校長先生が名簿を見て適当に決める。
  • 男子校・女子校に分かれているところが多い。
  • 成績上位者しか立ち入りが許可されていない自習室があり、そこはみんなのあこがれの場所。
日本の良さ
  • 娯楽施設が充実している(秋田のことでさえこのように言うのだから東京を見たら驚くに違いない)。
  • 言葉遣いや動作が礼儀正しい。
〈NANTA〉

 「NANTA」は「乱打」を韓国語で発音したもの。NANTAは韓国初のノンバーバルパフォーマンス(セリフのない劇)で、世界的に有名だ。キッチンにあるもの(おたまや箸、鍋、野菜など)を利用してリズムをとるアクティブなパフォーマンスが中心だが、ストーリーも面白かった。特に、クラスメイトの1人が壇上に連れて行かれ結婚式の花嫁役にされたときはクラス中が大笑いしていた。

●3日目:キムチ工場→明洞での自由行動→ロッテ免税店→ロッテワールド

〈明洞(ミョンドン)〉

 日本の原宿のような場所だった。女性向けの化粧品や服、靴、雑貨などの店が目立ち、ショッピングを楽しみたい人なら楽しめること間違いなし。特に靴や化粧品はデザインや機能の割にリーズナブルなものが多い。 ドラマの撮影に使用されたカフェやグルメの店なども多くあり、食べ物巡りをしても楽しい。 しかし、日本とは違って化粧品を無料で配り「1分でいいから見ていって!」などと(日本語で)声をかけてくる店員さんが多く、圧倒された。

〈ロッテ免税店〉

 ブランド品からお土産品まで様々な物を取り扱っている。掃除が行き届いており、接客も非常に丁寧。ロッテホテルとつながっているためか世界中の人が来ることを意識していると感じた。お土産から高級品まで幅広い商品を手に入れられる上に、ウォン(韓国の通貨単位)と円を併用でき非常に便利。

〈ロッテワールド〉

 ライトアップされた城が目印の遊園地。室内のマシーンも充実しており、雨天でも楽しむことができる。ただし多くが絶叫マシーンで、日本とはレベルの違うスリル感満載のため、酔いやすい人は要注意。1つ上の先輩の中にはマシーンの勢いで靴が飛んだ人もいるらしい……。

○その他の施設

〈ホテルロッテ蚕室(チャムシル)〉

 蚕室ロッテワールド内にある韓国でも指折りのホテル。同じ敷地内に遊園地、デパート、免税店など様々な施設がある。宿泊する部屋のトイレが紙も流せる水洗で安心した(韓国のトイレは水洗だが紙は流せないため、なんとごみ箱に捨てる!)。朝食のビュッフェも洋食のほか、納豆やキムチ(外国人向けなのか辛くない)、韓国のりなどが用意されおリ世界から人が来ることを意識していると感じた。

〈仁川(インチョン)空港〉

 ハブ空港であるため非常に広く、ショッピングコーナーには免税品やお土産、韓国語版の漫画やCDなど幅広い商品がある。ここでも円とウォンを併用することができ、ウォンが余ってここで使い切る人が多かった。

○食事

 金属製の箸とスプーンを用いて食事をする。韓国の箸は日本のものと比べると長く、重い。

プルコギ:すき焼きと肉野菜炒めの中間のような料理。ガイドの金さんによると、「プル」は火、「コギ」は肉の意味。調理された牛肉を辛味噌と共にサンチュ(レタスの仲間)で巾着状に包み、一口で食べるのが正しい食べ方。たれをご飯にかけるとおいしい。(右写真)

海鮮鍋:海老や蟹、イカなどの海鮮物や豆腐などを辛いスープで煮立てたもの。煮立てていくうちに海鮮物のおいしそうな香りが漂ってきて、食欲をそそった。スープの色は真っ赤だったがそれほど辛くはなかった。うどんがとても合った。

カルビ:骨付きのごろごろした肉を網で焼いて食べる。頃合いを見て店員さんが肉をカットしに来てくれたのだが、大きなはさみを使用したカットは、かなり豪快。

激辛唐辛子
 韓国の辛い物好きはこれを食べてストレス発散するそうなので一口食べてみたところ、想像を絶する辛さだった。
しかも次の日は1日中手や口の周りがヒリヒリと痛かった。よほどの辛い物好きしか口にしないほうがよさそうだ。

※毎食三つから四つのおかず(お代わリ自由)が出されたが、キムチ・豆もやしのごま油炒め・茎わかめはどこに行っても必ずあった(この三つが韓国では定番のおかずなのか?)ちなみに韓国のキムチは日本のキムチより酸っぱく、かなり辛かった。

○旅行中よく使った韓国語ベスト5

①いつでも!
「ありがとう」カムサハムニダ(目上の人に)/コマウォ(親しい人に)
②店員さんやバスの運転手さんに
「こんにちは」アンニョンハセヨ
③押し売りされそうになったときなど
「大丈夫です」ケンチャナヨ
④お店などで
「これください」イゴヨ/イゴ・ジュセヨ
⑤誰にでも(友達同士などでも使う)
「愛しています」サランヘヨ

※韓国のレストランではおかずやサンチェはお代わり自由。まだ食べたりないときは、「ヌナ、サンチェジュセヨ~」 「オンニ、ジュセヨ~」などと言うと快く持ってきてくれる。ちなみにヌナ/オンニは「お姉さん」の意味。男性の場合はヌナ、女性の場合はオンニと呼ぶ(「お兄さん」はヒョノ〔男性〕/オッパ〔女性〕)。

○最後に……

 韓国へのFWは楽しかったと同時に、異文化への理解を深め、日本の良さを再認識する素晴らしい機会となった。帰国して、豊かな水資源と自然に恵まれた国土と、思いやりの精神・きれい好きな性質を持ち合わせた日本の素晴らしさを実感した。また、ガイドさんやソウル高校の生徒など現地の人と接して驚いたことが二つあった。一つは、日本に対して好印象を持っている人が多かったこと。もう一つは、日本に関する教育が想像以上に進んでいたことだ。それに比べ日本は(一部の韓流ファンを除いて)韓国についてよく知らない人が多いだけでなく、韓国人は反日感情をもっている、と先入観をもっている人も多い。近年の国交問題を機に、まずは韓国を知ることが大切だと感じた。 


平成25年3月1日発行 「たかだい」第129号


平成23年7月9日付 秋田魁新報


平成23年度フィールドワーク ソウル高校訪問