わが生わが世の天職いかに

秋田県立秋田高等学校長 高橋 貢

2014年09月01日更新

この度の、「秋高創立百四十周年記念誌」の発刊にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

 まずもって、献身的かつ意欲的に編集にあたられました周年誌委員会の皆様方、そして玉稿をお寄せいただきました先輩諸兄に、心から感謝申し上げます。有り難うございました。なお「生徒会・学校行事の変遷」の章は、すべて生徒の執筆によるものです。

 あらためて申し上げるまでもなく、本校は明治6年に創設された洋学校をもってその濫觴となし、それはすなわち本県教育近代化の第一歩ともなっております。学制頒布が明治5年、翌年創設された現在の公立高等学校につながる学校は、宮崎延岡、岐阜、大阪北野、静岡韮山、そして秋田と、きわめて僅かであります。現在公立高校が全国で4千校あまり、本校がその中で最も伝統ある高等学校の一つでありますことは、現在の生徒に至るまで、我々の大きな誇りとするところであります。

 現在我が国は、東日本大震災からの復興、原発の問題、東アジア諸国との関係、世界的かつ構造的な不況、医療と福祉、消費税等々、内外に多くの課題を抱えていますが、一時しのぎではない、新たな世界パラダイムの構築が強く望まれています。そうした意味では、山中教授のノーベル賞は大きな励みです。

 今学校では、「品性の陶冶~わが生わが世の天職いかに」をテーマに掲げ、こうした現代的な課題の解決に資することのできる人材の育成を目指し、幅広い人間教育に努めております。

 校歌の4番には、「おのれを修めて世のためつくす」という一節がありますが、ここには、まさに秋高の魂とでもいうべき精神が息づいています。私たちは、そうした人間性豊かな魅力ある人間、使命感に富んだスケールの大きい人間の育成を目指して、日々の教育活動に取り組んでいます。

先輩諸氏のさらなるご支援を、心からお願い申し上げます。

(昭和47卒)