ステンドグラスに魅せられて
PCIビル(パシフィック・コンサルタンツインターナショナルビル)
高さ2メートル20センチ、長さ8メートルに及ぶ大きな窓から見える新宿副都心の近代的な風景を切り取って見せるような作品です。
会議室やイベントに使用される際には芝生の植えられた中庭にも出る事が出来るように、開閉式のステンドグラスです。
サッシを4重にして、そのそれぞれに違ったステンドグラスを入れて、ガラスのデザインの重なりを楽しむ作品になっています。ドラマの撮影などにも何度か使用された事があります。
西新宿スクエアータワー
高層ビルの中央吹き抜け部分を囲むように設置された作品です。
トップライトから射し込む光の変化が楽しめるように、壁面に反射した光の強さを強調するデザインです。
クリアーに見える部分も歪みのある吹きガラスを使用しているため、反対側の壁面がデフォルメして見えます。
秋田市立千秋美術館
2階ホールの湾曲した部分に設置されたこの作品は、10メートル近い長さがあり、中央に立ったときに見る人を包み込むような印象で作られています。
秋田の雄物川、秋田杉の林、田のライン、そして遠くに男鹿半島を望む風景を抽象的に描き、ゴールドピンクという純金で発色させる吹きガラスを使用した作品です。
自分の故郷秋田を平面のラインに置き換えて表現しようと試みたものです。
秋田ふるさと村
横手の秋田ふるさと村、かまくらんどに設置されたこの作品は、秋田を代表する版画家、勝平得之氏の「花四題」と「祭四題」から春、夏、秋、冬の4枚とかまくら祭りの一枚、を選び光の絵画に置き換えた作品です。
自分が育った秋田の風物を最も良く表している勝平氏の版画は、とても馴染みのあるものでした。
秋田県立博物館
博物館に併設された秋田の先覚者を紹介する記念館の入り口通路に設置された作品です。
「秋田ふるさと村」と同様に勝平氏の版画「米作四題」からテーマを取った連作です。
オリジナルの版画は小さな作品ですが、その迫力を充分に表現させるためこの作品は4メートルを超えるサイズで作られています。ステンドグラスの技法は中世からヨーロッパに伝わる伝統的な制作方法で作られていて、数百年後も全く変化の無い普遍的な作品です。
※画像は志田政人作品集から転載・・・実物と異なります
- カテゴリー
- 海外から
- 掲載日
- 2011-02-11
ステンドグラス作家 志田 政人 さん (S52) プロフィール
フランス国立高等工芸美術学校でルネ・ジルー教授の指導を得て、伝統的ステンドグラス技法を学ぶ。作家として公共施設・教会・個人邸に数多くの作品を制作し、好評を得ている。
また、ステンドグラス研究者として25年以上にわたり、フランスをはじめヨーロッパ各地のステンドグラスの歴史やキリスト教図像学を研究し、1400ヶ所以上の調査を行っている。
主な著作は「ステンドグラスの聖書物語」「ステンドグラスの絵解き」「ステンドグラスの天使たち」「伝統に学ぶステンドグラス」等である。