会長挨拶 - 第11代会長 銭谷 眞美(昭43卒)

写真: 銭谷 眞美

 この度、伝統ある秋田高校同窓会長の大任をお引き受けすることとなり、責任の重さを痛感いたしております。会長就任にあたり一言ご挨拶申し上げます。
 私は、亡くなられた町田睿前会長の下で副会長を勤めておりました。町田前会長の秋田高校そして故郷秋田に寄せる熱い想いに心を打たれ、そのご遺志を継いで、母校秋田高校ならびに秋田県の発展に少しでもお役に立てればと考えております。
 どうぞ同窓会皆様のご支援ご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

 私は、高校同窓会は、何よりも同じ学び舎で多感な青春の一時期、ともに学び合った同窓の人々が交流し親睦を深める場であると思います。その上で母校の発展、在校生の充実した学校生活の実現のために物心両面にわたる支援協力を行う組織でありたいと思います。
 そして、それらの活動が、母校をはぐくんだ郷土秋田へのエールとなり、郷土秋田の創生の一助にもなるものと考えます。
 私はこうした同窓会活動の意義を十分に認識し、秋田高校同窓会のさらなる活動の活性化を図ってまいりたいと念願しております。

 我が秋田高校は、本年創立145周年を迎え、平成35年(2023年)には、創立150周年という記念すべき節目の年を迎えます。全国の高校の中でも歴史の古い伝統校であります。
 開校以来幾星霜を経て、母校を巣立ち、各界で活躍した逸材は枚挙にいとまがありません。
 私は、在学中、当時の同窓会長でありました古村精一郎先生にお目にかかったことがありました。50年以上前のことであります。春風駘蕩のごとき物腰で年少者である私たちに接する中で、お話される内容には秋霜烈日たる厳しい人生観が伺える忘れられない一時でした。
 また、チベット仏教の研究者として著名な大先輩の多田等観先生が来校されて、ご講演を行ったことがありました。多田等観先生は、艱難辛苦、ヒマラヤ越えでチベットに入り、ダライ・ラマ13世の下で10年にわたる修行の後、帰国し、日本学士院賞を授賞する程の研究者として活躍されました。そのご労苦と精進には大きな感銘を受けました。
 すでに同窓会では、130周年の記念事業として「先蹤録」を刊行し、43人の「大先輩の事跡を紹介していますが、150周年の記念事業としても昭和・平成に活躍された逸材を採り上げる「新先蹤録」を刊行したく、その準備を進めています。
 在校生にとって、これからの人生、人間としての在り方生き方を考える上で少しでも参考になればと思います。
 また150年記念事業としては秋田高校「150年史」の編纂という大きな事業にも取り組んでまいりたいと思っております。

 現在、同窓会は、各副会長や各常置委員会が分担協力して各種の活動を行っております。また、全国各地、県内の各地、職場に置かれた各支部も様々な活動を展開していただいております。これら常置委員会、各支部との連携協力を密にしつつ、活動の活性化を図ってまいりたいと考えております。
 各卒業年次ごとの同期会が同窓会活動の根底にあることは言うまでもありません。本年刊行することができました同窓会名簿の作成に当たっても各期の幹事の皆さんには大変お世話になりました。同期会の開催などにも、ホームページ、同窓会だよりなどを通じてご協力できればと思います。

 今、故郷秋田は、人口減少、高齢化の進行などに直面しています。県の人口も100万人を切り、母校秋田高校の生徒数も校歌にうたわれた1,000人を切って久しいとのことです。
 一方で秋田県は、近年、子どもたちの学力は、毎年全国最上位のレベルにあり、スポーツでも本年夏の金足農業の活躍にみられるように全国レベルの実績をあげています。また、秋田大、国際教養大、県立大、秋田公立美術大学など大学コンソーシアムも形成されつつあります。教育県秋田と言えると思います。
 秋田を想う、秋田再生の志をもつ、グローバルに活躍する、こうした多彩な人材を輩出する秋田県。その中核に母校秋田高校があってほしいものです。
 秋田高校の在校生、そして卒業生が、郷土秋田、そして日本の新しい時代を切り拓いていく力となることを願っています。
 秋田高校同窓会が、そのための一助となれるよう同窓会活動のさらなる発展充実に努めてまいりたいと存じます。

 どうぞ、同窓会の皆様には、ご健勝にお過ごし下さるとともに、同窓会活動によろしくご支援ご協力下さいますよう、重ねてお願い申し上げまして、会長就任のご挨拶といたします。
平成30年11月3日
第11代会長(昭和43年卒)銭谷 眞美